「書風」と「書体」は書道以外でも日常よく耳にする言葉だと思いますが、その意味の違いはご存じですか?
「書風」と「書体」は実は似て非なる言葉。全く意味合いが異なります。
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書体って何?

書体とは文字の形体のことです
漢字には5つの書体があります。
- 篆書(てんしょ)
- 隷書(れいしょ)
- 草書(そうしょ)
- 行書(ぎょうしょ)
- 楷書(かいしょ)
活字だと、明朝体、ゴシック体などたくさんのフォントがありますね。これも書体です。
つまり書体とは自体、文字の形体のこと。
以下は「趙松雪 六體千字文」です。
左から草書・楷書・行書・隷書・篆書・甲骨文の6書体で書かれています。
どれも同じ漢字ですが書体が異なります。


書風って何?



書風とは文字の書きぶりのことです
同じ文字でも、書く人、道具、時代、書き人の個性など様々な要因によって表現が異なります。
この趣を書風と言います。
例えば・・・。
522年に建てられ現存している 「張猛龍碑(ちょうもうりょうひ)」 。 六朝時代の北朝独特の楷書です。


こちらは欧陽詢書「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)」。「楷法の極則」と称され楷書の理想形とされています。


どちらも楷書を代表する古典ですが、全然雰囲気が違いますね。
同じ楷書という書体でも書風が異なるのです。
まとめ
「書体」と「書風」の違いはお分かりいただけましたでしょうか?では今日はこの辺で。
書体の項の参考


書風の項の参考



