【書道の基本】「書風」と「書体」の違いって何?

書道の基本 書体と書風の違いとは

書風」と「書体」は書道以外でも日常よく耳にする言葉だと思いますが、その意味の違いはご存じですか?
書風」と「書体」は実は似て非なる言葉。全く意味合いが異なります。

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書体って何?

書体とは文字の形体のことです

漢字には5つの書体があります。

  1. 篆書(てんしょ)
  2. 隷書(れいしょ)
  3. 草書(そうしょ)
  4. 行書(ぎょうしょ)
  5. 楷書(かいしょ)


活字だと、明朝体、ゴシック体などたくさんのフォントがありますね。これも書体です。
つまり書体とは自体、文字の形体のこと。

以下は「趙松雪 六體千字文」です。
左から草書・楷書・行書・隷書・篆書・甲骨文の6書体で書かれています。
どれも同じ漢字ですが書体が異なります

千字文とは、天地玄黄(てんちげんこう)宇宙洪荒(うちゅうこうこう)から始まる四字一句、二百五十句からなる四言古詩です。
異なる1000字から成る千字文は、古くから子供に漢字を教えたり書の手本として使われてきました。
歴代の多くの能書家たちがこの千字文を作品に残しています。
書道の手本としては智永が楷書と草書の2種の書体で書いた『真草千字文』が有名。

書風って何?

書風とは文字の書きぶりのことです


同じ文字でも、書く人、道具、時代、書き人の個性など様々な要因によって表現が異なります。
この趣を書風と言います。

例えば・・・。

522年に建てられ現存している 「張猛龍碑(ちょうもうりょうひ)」 。 六朝時代の北朝独特の楷書です。

張猛龍碑

こちらは欧陽詢書「九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)」。「楷法の極則」と称され楷書の理想形とされています。

九成宮醴泉銘

どちらも楷書を代表する古典ですが、全然雰囲気が違いますね。
同じ楷書という書体でも書風が異なるのです。

まとめ

「書体」と「書風」の違いはお分かりいただけましたでしょうか?では今日はこの辺で。

参考画像のオススメ本をご紹介します。
最近臨書する際に天来書院さんの本にお世話になっています。
天来書院さんのおすすめポイントは「骨書」があること。
筆路がはっきりとわかる骨書や、字形・筆順などの解説が充実していてとても分かりやすい!

書体の項の参考


天来書院の真草千字文

監修:高橋 蒼石, 編集:蓑毛 政雄
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書風の項の参考

天来書院の九成宮

天来書院の張猛龍碑

書道の基本 書体と書風の違いとは

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