一言で「書道」と言えど、実は書道にはたくさんの部門があります。
高校生~大人が書道教室を探す場合、実はこの部門の影響がとても大きいのです。
というのも、書道の先生には所属する団体によって専門の部門があるのです。
ちなみに私が所属する「草心会」は「かな書道」を専門とする団体です。
もちろん漢字や実用書も勉強はしますが、深く掘り下げて勉強して展覧会に出品しようとすると「かな部門」での出品しかできません。
教室を選んで通い始めたのはいいけど、漢字を習いたいのにかな書道ばかり練習させられるといった事に陥らないためにも、書道の先生には専門の部門があるという事を事前に知っておくと教室選びがスムーズになります。
今日は書道の部門についてざっくりお伝えしますね。
展覧会によって分け方は様々ですが、大きな部門を5つにまとめました。
①漢字

初心者の方にも一番よく知られている漢字部門。
皆さんが想像する書道ってこれなんじゃないでしょうか。
漢字にも「楷書」「行書」「草書」の3種類の字体があります。
上の写真は右から楷書、行書、草書となっています。
②かな

かな書道は日本特有の書道です。
漢字の書道とはまた違った面白さがあり、曲線の柔らかな美しさがとても味わい深い書道です。
文字だけではなく使用する半紙や筆も漢字とは異なります。
最初はひらがなから始まり、変体仮名や連綿などを学びます。
③篆刻(てんこく)


篆刻ってご存知ですか?
もしかしたら中学校の美術の時間に石を掘って自分の印鑑を作った事があるという方もいらっしゃるかも。
まさにあれが篆刻です。
書道、日本画や水墨画などの書画作品を見ると押印されていますね。(上の写真赤〇部分)
篆刻印があるかないかで作品がビシっとしまりますし、雰囲気も大きく変わりますよね。
自分で揮毫した文字を掘って篆刻印を仕上げるのも書道の一部門なのです。
④調和体(ちょうわたい)・近代詩文

漢字かな交じりの詩文を書道の作品にしたものです。
漢字やかな等の他の書道のように一般の人が読めない作品ではなく、「読める書」を前提にした新しいジャンルです。
誰でも読める書というこの新しい部門は、年々日本の書道界においてメジャーになりつつある人気の部門です。
私が所属する草心会でも以前は師範試験に調和体の試験はなかったのですが、最近試験内容に導入されました。
漢字やかな書道と比べ「読める」という事以外厳しい決まり事がなく、自由な雰囲気があふれています。
書道ができない人でも見て楽しめる人気の部門です。
⑤前衛(前衛)
前衛書道とは、漢字やかな等の伝統的な書道に対して、第二次世界大戦後に革新的で前衛的な書道の芸術観から生まれた新しい書の事です。
西洋の抽象画、東洋哲学などの影響を受けた前衛書道は、文字を文字から解放し点と線の結合体としての美しい形を表現します。
非文字的な造形作品ですので、他の書道のように文字が読めません。
心のイメージを表現した抽象的で自由な書道なのです。
私は前衛書道がちんぷんかんぷんなので、展覧会で見るたびに「はー、すごいなー」「墨汁代かかりそうやな~」という感想しか持てないのが残念です。
それくらい振り切ったゴリゴリの芸術作品というイメージです。
まとめ
書道は色んな部門に分けられるという事はお分かりいただけたでしょうか?
ご自分がどんな部門の書道を習いたいのか参考になりましたら幸いです。
では(^^)/