永字八法とは大切な基本練習~毛筆書道8つの基本点画をご紹介します

永字八法(えいじはっぽう)」という言葉はご存じですか?

永字八法とは、書道に必要とされる基本点画8種類が全てこの「永」一文字に含まれていることを指した言葉です。
簡単に言うと、基本点画とは「とめ」や「はね」と言われる技法のことですね。

後漢の蔡邕(さいよう)さんが「永字の基本点画は八法を会得するとき万字に通じる」と唱えてから現在に至るまで、初心者にとって最も大切な基本練習とされています。

では「永字八法」の基本技法8つを見てみましょう。

Contents

「永字八法」8つの基本点画

永字八法

永字八法の基本点画①『側(そく)』

永字八法基本点画

側(そく)とは「点」の事です。
左から右斜め下方向へ筆をおさえます。
点って簡単に見えて初めは結構思うように書けないんです。

永字八法の基本点画②『勒(ろく)』

永字八法基本点画


勒(ろく)とは「横画」のことです。
一番最初に書道で習う最も基本の技法ですね。

永字八法の基本点画③『努(ど)』

永字八法基本点画


努(ど)とは「縦画」のことです。
下に向かって自分の体に引き寄せるようにまっすぐ筆を運びます。
筆を自分の体と一緒に体にむけてひっぱってくるイメージで書くと、まっすぐの線が書けますよ。

永字八法の基本点画④『趯(てき)』

永字八法基本点画


趯(てき)とは「はね」のことです。
縦線を書いてしっかり止めて、筆を少し左に傾けてから斜め45度上にはねるようにすると、上手にはねることができます。

永字八法の基本点画⑤『策(さく)』

永字八法基本点画


策(さく)とは「右上がりの横画」のことです。
最後は止めるのではなく自然に力を抜いていきます。
ナイキのマークみたいなイメージで。

永字八法の基本点画⑥『掠(りゃく)』


掠(りゃく)とは「左はらい」のことです。
左下へカーブを描くようにゆっくりしっかり長めにひっぱり、最後にすっと力をぬくとうまくいきます。
刀の形をイメージして書くと良いですよ。

永字八法の基本点画⑦『啄(たく)』

永字八法

啄(たく)とは「短い左はらい」のことです。
筆を斜めに入れて、左下へまっすぐ短めに一気にすっと力を抜いて払います。

永字八法の基本点画⑧『磔(たく)』

永字八法


磔(たく)とは「右はらい」のことです。
初めは軽く力を入れずに筆を入れ、右下へゆっくりと少しずつ力を入れて筆を運びます。
最後は一度止まってから、右方向へ力を自然とゆっくり抜きます。
最後に止まった時に左手で文字の近くをしっかりおさえてから払うとうまく行きます。
この右払いは初心者が最初とても苦労する技法かもしれません。

永字八法の練習で書道が上達する?

書道初心者の方は、この「永」の字を繰り返し練習することによって基本的な運筆法を学ぶ事ができます。
しかし「永」の字が上手になったから書道が上達するとは限りませんよ。
あくまで基本点画の習得ができますよ~という一文字なのです。

ただ、この基本の点画を習得しておけば、他の字を書く際に「基本的な筆の使い方」が理解できている事に気付くと思います。
それくらい大切な基本の技法という事なのです。

では今日はこの辺で(^^)/

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