こんにちは。書道講師のはな(@hana8family)です。
最近の学校では書道の授業があまり重視されない傾向にあり少し寂しく思っていたのですが、書道講師にとってはちょっとした朗報がありました。
それが、小学校の書写の授業での「水書」導入です。
小学校学習指導要領の改訂に伴い、2020 年より小学1、2 年生の書写の授業に「水書用筆(すいしょようひつ)を使用した運筆指導」が取り入れられることになりました。
今までは1、2年生は硬筆のみで、3年生から書道液を使った毛筆の授業がありました。
が、今回の改訂により1、2年生から水書の授業が始まるのです。
親世代も未経験の水書。
子供が小学校に入学して「水書って何??」と慌てなくてもいいように、小学1、2年生の書写の水書授業について少し紹介いたします。
水書って何?

何回も繰り返し使う事ができる特殊な水書専用用紙を使います。
それに水を入れた水書筆ペンや水をつけた水書用筆で書くと、濡れた部分が変色します。
水が乾くと消えるので、繰り返し何度も練習する事ができます。
これらは新たに開発されたものではなく、お習字の練習に既に使用されている商品です。
学習指導要領の改訂ポイントと水書導入のねらい


2017年(平成29年)3月に改訂・告示された小学校学習指導要領が、2020年から実施されます。
書写についての記述が改訂された箇所は以下の通りです。


- 点画の書き方や文字の形に注意しながら、筆順に従って丁寧に書くこと
この一文が追加されています。これについては、
「点画の書き方や文字の形に注意しながら」書くことの指導について,適切に運筆する能力の向上につながるよう,指導を工夫することを示している。水書用筆等を使用した運筆指導を取り入れるなど,早い段階から硬筆書写の能力を高めるための関連的な指導を工夫することが望ましい。~「文部科学省小学校学習指導要領」より
と記載されていますので、今までは硬筆の授業だけだった1、2年生の書写の授業に「水書での毛筆授業」が導入される事になったのです。
つまり、



水書を使うことによって、硬筆だけの書写では理解するのが難しい難しい筆圧の変化や点画を正しく理解するできるのが導入のねらいで、あくまでも毛筆の先取り学習ではありません。


「硬筆を正しく理解するための水書」といった感じですね。
もちろん3年生から始まる毛筆の授業にスムーズに移行できるというメリットもあると思います。
水書を導入するメリット
- 毛筆を使うことによって、正しい文字の書き方や運筆を身に着ける学習効果が硬筆よりも更にUPする
- 毛筆で書くことにより硬筆では体感しにくい「とめ・はね・はらい」の感覚が理解できる
- 墨ではなく水を使うため、服や部屋を汚す心配がなく準備や後片付けも簡単
- 何度も繰り返し練習ができるので、正しい運筆が習慣化する
- 何度も繰り返し使えるので経済的
まとめ
水書は小学生だけではなく、幼稚園の子供さんにも文字の練習にとても使えるアイテムですよ。
文字を書く事の楽しさが体感してもらえると、書道のセンセとしては嬉しい限りです。
では(^^)/

