楽しい万年筆入門講座と1000円以下で買えるおすすめプチプラ万年筆

便利で書きやすいペンが世の中には溢れているのに、アナログな万年筆は今も人気を誇っています。
万年筆って使っている方は知っていても、使っていない方には全く謎の世界だと思うんですよ。

よく分からない世界だから何となーく敷居が高い気がするんですよね。
でも実際万年筆を使ってみると、「こんなに書きやすいの!?こんなに楽しいの!?」と驚くこと間違い無し。
万年筆を使うだけで文字を書く事が格段に楽しくなるのでおすすめですよ。

最近はプチプラ万年筆が増えたので、気軽に手軽に万年筆を楽しむことができるようになりました。
なので怖がらなくて大丈夫!
私は高い万年筆は持っていませんが、万年筆で字を書く事が楽しい!

そんなわけで、この記事は「万年筆を使ってみたいけどよく分からない」という方向けの「ざっくり簡単万年筆入門講座」です。
沼にはまったら抜け出す事がほぼ不可能と言われている万年筆。
今日は沼の周辺を一緒に散策してみましょう。

Contents

万年筆の価格帯

お高いんじゃないの?

と思われがちの万年筆。
よく分からない世界、更にお値段も高いとなると敷居は果てしなく高くなりますよね。

でも最近は数百円なのに書きやすいプチプラ万年筆もたくさん出てきていますので、実は万年筆の敷居はすごーく低くなっています。

ただ数十万円もする高価な万年筆が販売されているのも事実です。
なぜペン1本で価格帯の幅が広いのでしょうか。

それはペン先の素材、軸の素材などによって価格が大きく左右されるからなんです。

万年筆の各パーツの名称

万年筆のパーツ名称

インクのタイプ

万年筆は色んなインクを入れ替えて使えるという点が最大の魅力ではないでしょうか。
「インク沼」という沼があるくらいインクは楽しい世界。

ではそのインク、どうやって補充するのでしょうか。

インクの補充の仕方は次の3パターンがあります。

  1. インクカートリッジ
  2. コンバーター
  3. 吸入式

最近とても人気のプチプラ万年筆はカートリッジ専用ですが、その他の多くがカートリッジとコンバーターの両用タイプになっています。

①【お手軽】インクカートリッジ

すでにインクが充填されているカートリッジをペンに差し込むだけ。
とてもお気軽に使えますし、外出先でインクが無くなった場合でもカートリッジを携帯していれば差し替えるだけでまたすぐに使えます。

ただし、次に紹介するボトルインクを使うコンバーターと比較すると色の種類が圧倒的に少ないです。
黒、ブルーブラック、赤など極々一般的に使用されるカラーなら手に入りやすいのですが。

カートリッジの形状は万年筆のメーカーによって異なるので、本体と同じメーカーの物を購入します。
(※ただし欧州共通規格の場合は互換性があります。次項をご参照ください。)

カートリッジのメリット
カートリッジのデメリット
  • お手軽
  • 携帯性
  • カートリッジ専用タイプの万年筆は低価格
  • 色の種類が圧倒的に少ない

②【面倒だけどインク沼へまっしぐら】コンバーター

コンバーターとはインクを貯蔵するタンクみたいなもので、お尻部分のつまみを回してインクを吸い上げて使います。
空の状態のコンバーターに自分でインクを詰めるので、数多あるボトルインクの中から好きな色を選ぶ事ができます。

ただし、インクは同じメーカーであっても他のインクと混ざるとインクが固まってしまったり不具合が起きる可能性がありますので、インクを交換する都度コンバーターとペン芯を水洗いしてきれいにしなければなりません。
楽しいけれどちょっぴり面倒なのがコンバーター。

コンバーターのメリット
コンバーターのデメリット
  • たくさんの色からインクを選べる
  • 楽しい
  • 面倒
  • ボトルインクが必要
  • 外出先でインク補充はやりづらい

使い方は慣れてしまえばとても簡単。

回転式コンバーターの使い方を動画で説明しています

動画内で使用しているコンバーター

動画内で使用しているインク

③【大容量】吸入式

インクカートリッジ、コンバーターを紹介しましたが、もう一つ別のインクがあります。
それは吸入式です。
インクカートリッジやコンバーターを取り付ける必要がなく、万年筆本体にインクタンクが内蔵されています。

吸入式のメリット
吸入式のデメリット
  • たくさんの色からインクを選べる
  • インクがたっぷり入るので長く使える
  • カートリッジを取り付ける必要がない
  • 楽しい
  • 面倒
  • ボトルインクが必要
  • 外出先でインク補充はやりづらい
  • 吸入式万年筆はお値段が高くなりがち

台湾製万年筆のTWSBI ECOは吸入式ですがお手頃価格

「独自規格」と「欧州共通規格」インクカートリッジやコンバーターの形状は2タイプ

万年筆のインクカートリッジなんて規格が決まってるんじゃないの?

と疑問に感じる方は絶対にいらっしゃると思うんです。
実は万年筆本体が「独自規格」タイプなのか「欧州共通規格」タイプなのかによって異なります。

独自規格

独自規格を採用しているメーカーの万年筆は、本体と同じメーカーの純正カートリッジ、もしくは純正コンバーターを使わなければなりません。
日本の主なメーカーが独自規格を採用しているので、万年筆と同じメーカーの純正インクを使わなければならないというイメージがあるかもしれませんが、世界的に見ると独自規格は少数派。

とても大切なポイントなのでもう一度強調してお伝えしたいと思います。

「独自規格」のメーカーの場合、インクカートリッジとコンバーターは万年筆と同じメーカーの純正品を使いましょう!

セーラー万年筆にはセーラーのインクカートリッジかコンバーターしか使えません。
セーラー万年筆にプラチナ万年筆のインクカートリッジは挿し込むことはできません。

独自規格を採用しているメーカーの一例
  • パイロット(日本)
  • プラチナ(日本)
  • セーラー(日本)
  • パーカー(イギリス)
  • ラミー(ドイツ)
  • クロス(アメリカ)
  • シェーファー(アメリカ) などなど

欧州共通規格

ヨーロッパ統一規格、ヨーロッパタイプとも言われる欧州共通規格。

欧州共通規格を採用しているメーカーの場合は、異なるメーカーでもインクの互換性があります。
ただし非推奨ではあるので、あくまでも自己責任になります。

互換性があると言えど、万年筆と同じメーカーの物を使用するのが一番安心で間違いはないです。

以下一例です。

欧州共通規格を採用しているメーカーの一例
  • ペリカン
  • モンブラン
  • ウォーターマン
  • ファーバーカステル
  • エルバン
  • ステッドラー
  • ぺんてる
  • トンボ などなど

ペン先の太さ

種類字幅用途
EF(エクストラファイン)極細字手帳など細かい字。ペン習字。
F(ファイン)細字ノート、手紙など用途の幅が広い。
M(ミディアム)中字少し大きな字を書く時
B(ブロード)太字宛名書きやサインなど
SU(スタブ)太字|中細字縦は太字、横は中細字。カリグラフィーっぽい字が書ける。

他にもメーカーによって様々なペン先の種類がありますが、EF、F、M、Bは最も基本になりますので、この4つを覚えておけば大丈夫です。

私はペン習字に使うのでEFかFしか使っていません

ペン先(ニブ)の素材:「金ペン」と「鉄ペン」それぞれの特徴

ペン先は素材によって「金ペン」と「鉄ペン」に分けられます。

金ペンの特徴

金ペンはペン先の素材に金が使用されており、14金、18金、21金など金の含有量は異なります。
金は腐食に強い特徴がありますので、文字通り万年でも使えるように金ペンが重宝されたのかも。

それから、金は素材としては柔らかくペン先に弾力があるので、自分の文字の癖が出やすいかもしれません。
(※万年筆は金ペン、鉄ペン問わず筆圧は必要ありません)
そして柔らかい素材であるからこそ使って行く内に自分の癖にペン先が馴染んでいき、自分仕様のペンに仕上がるのも金ペンの魅力。

金ペンのメリット
金ペンのデメリット
  • 腐食に強い
  • ペン先に柔軟性がある
  • 自分仕様に仕上がる
  • 高価

鉄ペンの特徴

鉄ペンはペン先の素材にステンレスが使用されています。
鉄は硬いので、しなったり削れたりなどの変化が少ない素材です。
癖がつきにくく買った直後から書きやすいです。
またボールペンの硬さに慣れている初めて万年筆を使う人にとっては、弾力がない鉄ペンの方が馴染みやすいかもしれません。

先ほど金ペンが腐食に強いと書きましたが、技術の向上によって今の鉄ペンも腐食はしにくいです。

一番の特徴は「安価」ということ。
なのでちょっと試してみようかなと手を出しやすい価格になっています。

鉄ペンのメリット
鉄ペンのデメリット
  • 安価
  • 初心者が馴染みやすい
  • 腐食に強い
  • 変化が少ないので自分仕様に仕上がりにくい

国産万年筆と海外製万年筆の違い


日本の文字は画数が多い上に、とめ・はね・はらいがあり、アルファベットに比べるとかなり複雑です。

それに合わせて作られている国産メーカーのペン先と、アルファベットメインに使用する海外メーカーのペン先が異なるのは当然と言えば当然。

同じ字幅のはずなのに、海外メーカーのペン先の方が太く感じる事が多いです。

万年筆のお手入れ方法

万年筆が書けなくなった・・・。

そんな時、一番多い原因は「インク詰まり」です。

インク詰まりとは、インクの水分が蒸発してペン芯やペン先にインク成分が固まって詰まっている状態です。
万年筆は長い間使用しなかったり、インクを交換する時には洗浄しなければなりません。

と言っても、簡単なので心配ご無用です。

STEP
下準備

カートリッジインクを使用している場合

カートリッジを取り外します。

コンバーターを使用している場合

残っているインクをボトルに戻します

STEP
コップにぬるま湯(40℃くらい)を準備
STEP
ペン先がしっかり浸かるようにペンごとコップに入れます

1~2時間そのまま放置。
ガチガチに固まっている場合は、一晩つけたままにしておきます。
かたまっていたインクがぬるま湯に溶けて出てきますので、時々ぬるま湯を交換します。

↑夫が20年間放置していた万年筆が生き返る瞬間
STEP
きれいに洗い流して水分を拭き取り終了

コップから取り出したら、首軸からペン先に向けて水で洗い流します。
布などで水分を拭き取り乾燥させれば、洗浄終了です。

1000円以下で買えるおすすめプチプラ万年筆

以前は万年筆といえばお値段も敷居も高いイメージがありましたが、最近はプチプラ万年筆がたくさん販売されています。
プチプラだからと言って書きにくいなんて事はなく、さすが国産の大手メーカーが開発しただけあってとても使いやすいです。

私は高級万年筆は持っておらず、ほぼほぼプチプラです。
それでも万年筆を楽しむ事ができますよ。

プレジール(プラチナ)

プレジールは私が一番愛用している万年筆です。
書きやすいだけではなく、アマゾンなら800円前後で買えるのに見た目が安っぽくないのが嬉しい。

プレジールはカートリッジ専用万年筆なのですがコンバーターも使えるようです。
メーカー非推奨なので自己責任で。

プレジールで文字を書いた様子です

カクノ(パイロット)

2013年に発売されたパイロットの万年筆「カクノ」
子供向け万年筆というコンセプトで発売されましたが、子供だけではなく大人も超楽しめます。
今の万年筆ブームの火付け役と言っても過言ではありません。
このお値段で書き味が良く、デザインはシンプル、ボトルインクも使えるという最高のプチプラ万年筆です。

カクノはコンバーターも使えます

プッシュ式で大容量のCON-70がおすすめ

カクノで文字を書いた様子です

プレピー(プラチナ)

色とりどりの透明軸でカラフルでポップな「プレピー」。
100均をのぞけば、プレピーは恐らく一番お安く買える万年筆ではないでしょうか。
ワンコインで買える、しかもおつりまで!
安いけれど書き心地もとても良いです。
気分でボディの色とインクの色を選ぶとテンション上がりますね。
文字を書くのが楽しくなります。

1年間使わなくてもインクが固まらない「スリップシール機構」を採用しているので、いつでもサラサラ書けますよ。

プレピーはカートリッジ専用万年筆なのですがコンバーターも使えるようです。
メーカー非推奨なので自己責任で。

プレピーで文字を書いた様子です

ふでDEまんねん(セーラー)

「ふでDEまんねん」は変わり種万年筆です。

筆で文字が書けない方も、特殊なペン先のおかげで簡単に筆文字が書けるという。
ペン先を立てると細書きに、ペン先を寝かせると太書きに、書く時のペンの角度によって線の太さが自由に変えられます。

「若竹」(ペン先角度 55度)はペンを立てて書く方に、「紺」(ペン先角度 40度)はペンを寝かせて書く方に。
それにしてもネーミングが可愛い。

さいごに

プレピーやカクノなどのプチプラ万年筆のおかげで、気軽に手を出せるようになりました。
万年筆は使った事がないからちょっとなあ・・・と躊躇している方にぜひお手に取っていただきたい!と思い、この記事を書きました。
万年筆に沼落ちすると、その先にはインク沼というまた別の沼にも落ちてしまう可能性大ですが、とても楽しめる世界ですのでぜひぜひご一緒しましょう。

では今日はこのへんで。

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