ペン字を練習するとなると、ついついこだわってしまうのは「ペン」ですよね。
ですが、線の美しさを左右するのはペンだけではありません。
案外こだわりを忘れがちな文房具、それは、

下敷きなんて子供の頃ノートに書く時に使って以来全然使った事ないなあ、という方は多いはず。
でもペン字を練習する際、下敷きがあるかないかで書き心地が全く違うんです。
ペンにこだわるのと同時にぜひ下敷きも。線質が驚くほど変わりますよ。
ではどんな下敷きを選べばよいのでしょうか。
今日は私が愛用している下敷きを紹介しつつ、下敷きの選び方やその違いをお伝えしようと思います。
ペンできれいな字が書ける下敷き、それは「ソフトタイプ」
子供の頃に使っていたハードタイプの下敷きは、ノートに裏写りしない、細かい字が書けるなど、勉強するのにメリットはたくさんありますが、ペン字学習でおすすめしたい下敷きは





ソフトタイプ下敷きのメリット
硬筆用ソフト下敷きは柔軟性のある素材を使用している事でたくさんのメリットがあります。
- ペンや鉛筆が吸い付くように紙になじむ
- 無理なく強弱をつける事ができる
- わずかに沈み込むので安定した線が書ける
- 漢字の「とめ」や「払い」がしやすい
- 筆圧を吸収してくれるので疲れにくい
- 滑り止め効果があるので紙がズレにくい
- 単調ではない厚みのある文字が書ける
つまりペン字にとって下敷きは、美文字を書く必須アイテムだと言っても過言ではないのです。
ソフトタイプ下敷きのデメリット
柔軟性がある素材であるがゆえに、書いた紙の裏にペン跡の凸凹がどうしても残ります。
なので手帳やノートなど裏面にも文字を書く物への用途には適当ではありません。


ソフトタイプの下敷きの選び方
ソフトタイプの下敷きといっても、種類はたくさんあります。
私の書道教室でも生徒さんにソフト下敷きを使用していただいています。
が、子供さんや大人でも初心者の方に扱いやすいソフトタイプの中でも硬い物を推奨しています。
「硬筆用ソフト下敷き」などという名の下敷きは、ソフト下敷きの中でも比較的ハードです。
そして下敷きの枠を超えて、印鑑捺印マットも下敷きに転用できるのですが、そちらは「硬筆用ソフト下敷き」よりももっと柔軟性があり、線質を更に豊かに表現しやすい軟らかさとなっています。
色んな下敷きを使って文字を書いてみました。
全部同じペン(サラサクリップ1.0)を使用して書いています。
こうして並べると下敷きの影響は一目瞭然ですね。
(用紙は5㎜方眼です)


- 下敷き初心者にはなじみやすい
- 線質を表現しづらい
- 色んな線質を豊かに表現しやすい
- 柔らかすぎるので子供や初心者には扱いにくい
このような特徴を踏まえて、自分にぴったり合った下敷きを選択してくださいね。
ちなみに私の一番の愛用品はプラス 印章用品 捺印マット 【大 机上サイズ】です。
きれいな字が書ける下敷き書道講師おすすめの5選とおすすめポイントまとめ
【柔らか度★】イカリボシ 硬筆用ソフト下敷きMS36W


厚み | 1.8㎜ |
材質 | 軟質PVC |
サイズ | B5 |
値段の相場 | 300円前後 |
私の教室で小学校の生徒さんに使っていただいている下敷きです。
かなり硬めのソフト下敷きなので扱いやすいと思います。
- ソフト下敷き初心者
- 書道教室に通う子供さん
【柔らか度★★】共栄プラスチック硬筆用ソフト下敷き NO.1204


厚み | 2㎜ |
材質 | PVC |
サイズ | A4 |
値段の相場 | 500円前後 |
アマゾンで一番売れているソフト下敷き。
厚みがあるのでどっしりと安定していますが比較的硬め。
表面はデスクマットのような質感でツルツルしています。
ペン先の沈み込みが少ないので初心者は扱いやすいと思います。
ペン字だけではなく色んな用途に使えます。
でも厚みがあるのでノートには挟みにくいかも。
- ソフト下敷き初心者
- ペン字をやっている大人の方
- 書道教室に通う子供さん
【柔らか度★★】共栄プラスチック硬筆用ソフト下敷き NO.1304


厚み | 1.2㎜ |
材質 | オレフィン |
サイズ | A4 |
値段の相場 | 300円前後 |
本体は半透明で薄緑色のオレフィン系樹脂製です。
厚みが1.2ミリでぺらぺらっと薄く軟らかいです。
表面はすりガラスのようなザラザラな質感で手触りはマット。
No1204よりも柔らかく筆圧をかけた時にペン先は少し沈みこむので、1204よりも表情のある線質になり若干太くなります。
細かい描写をするには不向きですが、ペン字の世界が1204よりも広がる気がします。
- 軽くて安いソフト下敷きがほしい
- ペン字をやっている大人の方
- ペン字の表現力をアップしたい
- 軟らかく丸めて持ち歩きができる下敷きがほしい
【柔らか度★★★★】PLUS(プラス) 印章用品 捺印マット(大 机上サイズ)




厚み | 3㎜ |
材質 | PVC |
サイズ | 30 x 21 cm |
値段の相場 | 1200円前後 |
プラスの捺印マットは私が所持している中で一番出番が多い下敷きです。



本当に書きやすいので、使った事のない方はぜひこの感動を実感していただきたい!
と思うのですが、これまで紹介した下敷きと異なり急に値段が跳ね上がります。
ちょっとお試しに、と買える値段ではないですね。
でもお値段分満足していただけるかと思っています!
表面が筆記用の下敷き、裏面が捺印マットという便利アイテム。
書類を書いたり捺印してもらうお仕事の方は、軽いので外回りでも携帯しやすいです。
この下敷きの筆記面ではなく、捺印面をペン字の下敷きと使用しています。
表面がPVCレザーで柔らかく、特殊三層構造になっているのでペン先がフィットします。
ちなみに本来の筆記面は硬いので普通の下敷きとして使えます。
サイズは「大 机上サイズ」というメーカー表示ですがA4です。
- ボールペン字で表現力を高めたい
- 万年筆でも線質の違いを表現したい
- ペン字の深みにはまっている
【柔らか度★★★★★】シャチハタ捺印マット


厚み | 4.3㎜ |
材質 | 天然ゴム |
サイズ | 30 x 21 cm |
値段の相場 | 2000円前後 |
下敷きの世界 最後の秘境「シャチハタ印鑑捺印マット」。
もう下敷きなんかじゃないです。正真正銘の捺印マットです。
よく会社などにあるアレです。
ペン先をしっかりとらえて深みのある線質を表現できます。
恐らくこれまで感じた事のない想像を超える書き心地だと思います。
ただし、この書き心地と引き換えに、まあまあのデメリットを受け入れる必要があります。
- 臭い(天然ゴムだから)
- 細かいゴミがめっちゃひっつく(天然ゴムだから)
- ふにゃんとなるので縦置きできない(天然ゴムだから)
天然ゴムという特性上仕方のないデメリットばかりなのですが、一番きつかったのは臭いです。
最初は頭がクラクラするくらい臭かったです。
1週間ほど日陰で干したので多少はマシになりましたが、臭いがなくなるということはありません。
ですが。
これらのデメリットを踏まえても秘境の下敷きの書き心地は素晴らしいです。
一度知ってしまうともう止められない中毒性がある下敷きです。
しかも書道もやっている方には落款押し用としても応用がきくので便利。
- 究極のペン字下敷きがほしい
- ペン字の表現力を極めたい
- ペン字の世界を広げたい
- 書道もやっているので落款押し用にも使いたい
まとめ
紹介した下敷きまとめ比較です。
重さ | 厚み | 柔らか度 | |
イカリボシ B5 MS-36 | 115g | 1.8㎜ | ★ |
共栄 NO.1204 | 158g | 2.0㎜ | ★★ |
共栄 NO.1304 | 80g | 1.2㎜ | ★★★ |
プラス捺印マット | 181g | 3.0㎜ | ★★★★ |
シャチハタ印マット大型 | 390g | 4.3㎜ | ★★★★★ |
文房具にこだわると、ペン字の世界も更に深く広くなりますね。
それはさらなる上達に直結すると思いますので、ぜひお気に入りの1枚を見つけてくださいね。
では(^^)/











